2016-08-06

物件探しは急展開

自給農をベースとした田舎暮らしをすることに決めたので(過去記事「自分のための農」参照) それが可能となる物件探しを開始した。


◆まずは探索エリアの設定


探索エリアを広げ過ぎても的が絞れないので、最初に以下のように決めた。

・自力で何往復かしながら引越荷物を運ぶつもりなので、現居から片道2時間程度の範囲とすると、静岡県中部~東部、伊豆半島全域、山梨県南部、神奈川県西部が対象。

・できれば雪があまり降らず、凍らないところ。

・風の強さや塩害の懸念から沿岸部は極力避ける。


◆探索方法はインターネットがメイン


数ヶ月~数年、転々と旅を続けて理想とする移住先を見つける人もいれば、惹かれた地域に何十回も足を運び最適な物件を探す人もいる。確かに時間をたっぷりかけて探せば目も肥えて、いい物件と巡り会える確率は上がるだろうけど、移住することが最終目的ではない自分にとっては、時間や費用を多大に探索に注ぎ込むのは得策でない。したがって、まずは出来るだけ現居での情報収集に努め、条件に合う候補が見つかったら赴いて現物確認という方針にする。

情報は不動産情報誌などにも載っているが、田舎暮らし物件は少ない。逆に移住専門誌に載るものは競争が多く、こちらまで回らない。一方、インターネットで地域不動産屋の物件情報を検索閲覧し問い合わせをかけると、新着の類似案件も含めメールで案内してくれて便利なので、これをメインの探索方法とする。

ちなみに、自治体がやってる 「空き家バンク」 もあるが、あまりいい物件はない。(案件数少なく質も悪い。付帯情報も少なく利用者目線が薄い。なのに利用手続は超面倒。)まあ見る人によっては掘り出し物があるかもしれないので、一回は覗いて見てもいいかも(笑)。

楽天ポイントを使って入手した格安のカーナビ。
お世辞にも高性能だとは言えないが、
田舎暮らし物件の見学や周辺環境の調査には役立つ存在。

◆賃貸か購入か


田舎暮らしは移住リスクがあるため賃貸から始めるべきだと言う意見が定番で、可能なら私もそうするべきだと思うが、実際は田舎の賃貸物件などほとんど表に出てこないのが現実。理由は所々あるだろうが、儲からないので不動産屋が取り扱わないのが主たるところだろう。

現地に住み始めれば口コミや人づての紹介で得られる賃貸情報もあるだろうけど、それはまさに「卵が先か、鶏が先か」というジレンマ。仮にお試し移住したとしても、そこで自分に都合いいものがもたらされる保証はないし、それがいつになるかもわからない。若くない自分としては無駄な時間の浪費だけは絶対避けたいのでその方法はあり得ない。

一方、売り物件は内容こそ千差万別ではあるが、調べればそれなりに出てくる。ただ田舎暮らし物件については地域的偏りが大きい(川根は古民家、伊豆は中古別荘が多い。おくしず(静岡市中山間地域)は情報出ない)。中古物件は安いもので300万円ぐらいからあり、現況と予算の兼ね合いで選ぶことになるが、格安物件には大幅な補修が必要なものや、月々の維持管理費が高額なものもあるので注意が必要だ。そういう意味では数年空き家状態のものより、現状居住者がいる物件の方が綺麗に維持されているだろうし、直接いろいろな状況が聞けるのでメリットが大きい。

セルフメイドでいろいろとやりたい自分は、所有物のほうが何かと自由で気が楽だ。そんなわけで自分は中古物件を買うという方針で進めることにした。


◆自給農に適した物件は 「農地でない土地付き」


自給農をやるためには土地が必要である。自給に必要な面積を1人当たり500㎡(過去記事参照)とするなら、余裕を見て倍の1,000㎡程度の平坦地があれば十分だろう。ただし登記地目が「田」や「畑」などの農地でないこと。農地は「農業」を行うための土地であり、認められた農家しか所有することが出来ない(農地法の規制)ので、これら地目が物件に含まれているとかえって厄介なのである。自給農はいわば家庭菜園なので「宅地」「山林」「原野」「雑種地」などの地目で問題なく可能。出来ればより固定資産税の安い地目でやるのが理想だが、田舎物件だとたいして変わらないかもしれない。

ただ、別荘地物件は一般的に傾斜地が多く自給農には向かない。一見格安に見えても購入費とは別に毎月高額の管理費が必要だったりするので注意が必要。周りは移住者ばかりで気が楽だけど。

住居については、自給農をやる土地に隣接していた方が作業や管理の都合上望ましい(飛び地になってしまうと不便)。住居広さは、自分が結構な物持ちなこともあり50㎡以上欲しいところ。補修不要が理想だが、そこは価格との兼ね合いによる。作業道具の収納にちょっとした納屋や作業小屋が付いてればベストだが、必要なら自分で整備すればいい。原始的な生活を望んでいるわけではないので、水道、電気、ガスは必須。テレビは映らなくても構わないが、インターネット環境は何とか確保したいところだ(田舎物件はここが難しいところ)。

他にも近隣住民や集落の慣習、物資調達先(スーパーやホームセンター)までの距離など、選定に関わる要素はもろもろあるが、それらについては現地見学で確認し妥協できるものか判断する。物件購入予算は、賃貸ベースで見込んで 月3万×12ヶ月×20年=720万円(補修費用含む) を上限目安とした。

移住先の近隣に日帰り温泉施設なんか有ればラッキーだけど、
あれもこれもと欲をかいて条件を増やすと物件は定まらない。

◆物件との出会いは「縁」である


南伊豆地域を取り扱う不動産屋のサイトに、私の設定条件を満たす物件がいくつか載っていた。私の現居は伊豆北部であるが、同じ伊豆でも南伊豆地域までは車で2時間程度要する距離があり、趣も大分異なっている場所である。不動産屋にメールでこれら物件についての問い合わせを行い、物件見学を申し入れた。

実際に現地に赴き見たり聞いたりすると、資料には載っていない事実がいろいろと見えてくる。最初に見学に行ったところは、自分の中で最有力視していた物件で、豊かな自然環境と自由に使える土地の広さに魅力を感じていた。しかし実際訪れてみると、空き家になってから数年経過していたこともあり、住居は入り口の天井が腐って落ち、床は植物のツルが這い、まともに住むには相当手直しが必要な状態だった。また付随する土地はほとんどが傾斜地で、平坦部分はごく僅か、いずれも管理されず荒れ地になっていて、これはちょっとリスク高いなということで候補から除外。

次に見学に行ったところは、まだ居住者がいる物件で、住宅と広い菜園が綺麗に維持されていた。そこの奥様が物件のこと、生活のこと、集落のことについて明るく話してくれた。その雰囲気からここでとても楽しい生活をされてきたことがよく伝わってきた。この周辺は移住者が多く個々が自由なスタイルで生活していると言うこと、またそれが面白味になっているとのことも聞き、私自身がさまざまなことを試しながら生活する場所として上々な環境であると直感的に感じた。

正直、物件見学に行く前は、現地で様々な現実を見せつけられ落胆することも想定していたし、自分に適した物件を見つけるにはそれ相当な時間が掛かるだろうと覚悟していた。しかし思いがけずこんなに早い段階でよい物件に巡り会え、これはきっと「縁」なのだと痛感したのであった。


◆自分の感性を信じ、跳ぶ


いい物件を見つけたからと行っても、それがいつまでも売りに出されている訳ではない。折角のチャンスも、もたもたしていれば別の人が先に契約してしまうかもしれない。一方で田舎中古物件とはいっても土地家屋の購入は高額の出費であり、軽々に判断出来ないのも事実だ。それ故に「本当に買っていいのか」と反芻自問することにもなり、ともすればジレンマに苛まれることになる。

しかしいつまでも心配ばかりしていたら、新しいことには踏み出せない。勢いで物事を行うのは嫌いな性分だが、時々に巡り来る「機」を捉え乗って行く判断も人生には必要であろう。一通りやるべきことをやったら、勇気を持って決断し前に進むべきだ。私は自分の感性を信じ、思い切って跳ぶことにした。

問い合わせから25日で購入契約した田舎暮らし物件の詳細は、次回の投稿で。

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